daigakuseinohondana’s diary

こんにちは、大学生の本棚です。

村田紗耶香さんの「コンビニ人間」を読んで

こんにちは、大学生の本棚です!

今回は村田紗耶香さんが書いた「コンビニ人間」を読んで僕が感じたことをつらつらと書いていこうと思います。まだ読んでない方は僕の記事を参考に、すでに読んだ方はこの本について感想を共有しましょう!

本自体は薄く読みやすいので、僕と同じ読書初心者の方でもかなり手の届きやすい本です。ただ、ページや文字数は少ないですが、かなりテーマが深い内容なので歯ごたえは十分ありますよ。この本が世界中で翻訳されるほど売れる理由もわかります…。

 

それではさっそく僕がここで思ったことを書いていきます。

(ネタバレを含みます)

 

1.主人公の幼少期

主人公の古倉さんははロボットのような性格です。感情がどうというよりも、本当の意味で合理的かどうかを考える人でしたね。これが周りからは病気の(というよりも、人間じゃない)ように感じられたようで、それをなんとなく察した古倉さんは子どものころからにして自我を抑え込んで社会に融合しようとします。

 

 

これに関してですが、周りの環境が悪かったのではないかと思います。というのも、公園で死んでいた小鳥を家に持ち帰って食べようと言うような古倉さんはたしかに一般的ではないかもしれませんが、それにたいして大人たちはなぜ小鳥を食べていけないのかをしっかりと説明できていませんでした。古倉さんの疑問に対して、お墓を作ってあげようの一点張りです。論点もズレズレです。

しかし、だからといって僕が大人だとしたら彼女にどう説明すればいいかわかりません。家畜とペットの境界線って誰からでも難しい問題だと思います。

だったらそれを素直に話せばいいのではないでしょうか。彼女は「食に関する倫理観」への疑問を子どもながらに発見したのです。これは好奇心の一つですから、親はそこで一緒になって考えればよかったのではないでしょうか。

子どもの好奇心と病気を一緒くたにするのは、せっかくの想像力をつぶしてしまうことにつながってしまう気がします。

 

2.主人公の安心できる場所

古倉さんはもともと、みんなにとって最高の方向に行くように考える人なので、自分の行動が病気だと思われることで家族が悲しむなら、自ら意思決定をするのをやめてしまおうという選択を選びました。しかし、今度は一人で静かにいるようになったことを心配した家族のために、コンビニでバイトを始めます。これが古倉さんにとって天職との出会いです。そこで働いてれば誰からも文句は言われない。それに自分が社会の歯車の一つとなって正常な人間で入れるような気がして落ち着く場所だったのです。

 

 

さてここまで読んで僕は危機感というか、不安を感じました。それはこの無味無臭で少し不気味な彼女の考え、生き方に対するものです。こう感じてしまったのは、「やはり僕は多数派側の人間で結局、少数派側の気持ちを分かってあげられないからなんだ」と少し悲しく感じました。

 

3.白羽さんとの出会い、周りとのギャップ

彼女が18年コンビニでバイトをする中で、白羽さんという犯罪気質で気持ちの悪いフリーターに出会います。紆余曲折あって、彼女は白羽さんを家で飼ってあげることにします。これが一番二人にとって都合がいいからです。しかし、だんだんと彼女は白羽さんを通じて周りの人間に不気味さを感じ始めます。周りは古倉さんと白羽さんが同棲しているのを聞いて、「おめでとう」とか「やっと治ったね」とか「結婚はいつ?子どもは?」とか勝手に妄想を膨らませていき、彼女を窮屈にしていきます。

 

 

僕はここで白羽さんの意見に妙に納得してしまいました。ムラ社会に関する話なのですが、「世の中は多数派の人間たちが、自分たちとは違う人たちを異端と決めつけて排除しようとする傾向がある」ということです。白羽さんの人間性はクズなのであまり好きではありませんが、ここは説得力があるように感じられます。人権の否定ってのは発展途上国や歴史上の問題とみなされがちですが、今だって日本にも根強く残ってます。それは伝統といった集合的無意識の中にありますよね。例えば、タトゥーをしている人や育児をする父親、働く母親などです。(かなり改善されてきてはいますが)この人たちは少数派すなわち異端者の扱いです。グローバル化とか個性の多様化とかが言われてる現代には鋭い意見なのではないかなと思います。

しかし、それと同時に古倉さんと白羽さん二人の相互不干渉的なスタンスも行き過ぎているように感じます。そのスタンスは、ダイバーシティの究極であり、個人主義の究極です。jステュアートミルの他者危害の原則は今後大事な考えだとは思いますが、それが行き過ぎた結果、お互いに興味をなくしてしまう世界はとても悲しくはありませんか。

 

 

最後に

本の要約と僕の意見はいかがでしたでしょうか?

書いている途中に集中力が切れたりして、慣れないところも多々ありますがこれからもよろしくお願いします。

あと、語彙力が足りなかったり、曖昧な知識を使っている部分もありますので、ご指摘ありましたらいつでも教えてください。

お互いに成長できるような場を作れれば最高です。

皆さんのご意見も楽しみにしています!